50周年に寄せて

日本健康開発財団は1974年に「健康増進・回復を図るための温泉療法・気候療法等の自然環境を利用した健康増進プログラムの開発・研究」を目的に設立され、今年度で50周年を迎えることができました。設立以来、様々な形でご指導ご支援いただきました全ての皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
当初は厚生省（現在の厚生労働省）所管の財団法人として設立されましたが、公益法人改革により2012年より一般財団法人に改組し、現在に至っております。この間、温泉を利用した健康増進プログラムの研究開発をはじめ、健診センターの運営、勤労者の健康管理や特定保健指導など、予防医学を基本に据えた事業推進に取り組んできたほか、近年では海外からの医療インバウンド事業等にも取り組んでおります。
この50年で社会環境の変化は激しく、医療関連分野においても、急速な高齢化の進行に対応するための諸制度改革をはじめ、時代の大きな動きを経験してまいりました。なかでも、新型コロナウィルス感染症の世界的流行は、人類未曽有の危機であったとともに、これを乗り越えることを通じて、改めて「健康」であることのかけがえのない価値を実感した出来事でもありました。
今後につきましては、時代変化のスピードが加速する中でも、これまで以上に「健康づくり」「健康増進」への社会的要請が高まり、当財団の果たすべき役割は益々大きくなるものと考えております。設立50年の節目を機に、新たな時代の要請にこたえるべく、職員一丸となって先輩諸賢の偉業を継承し、「たゆみなき健康づくりへの道」を歩んで参る所存です。
今後一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

一般財団法人日本健康開発財団 理事長: 加藤　典嗣

財団設立五十周年を迎えて

我が財団は、今年設立五十周年を迎えました。皆さんと共に喜びたいと思います。今日に至るまで山あり谷あり、特に（東日本）大震災、コロナ禍の影響を受けてたいへんな時期がありましたが、皆さんの忍耐と努力でその難関を乗り越えられましたことを、深く感謝いたします。
1974年、ドイツの温泉保養地システムを参考にした「温泉利用型健康増進施設」の設立と普及に踏み切り、その二ヶ月後には、アメリカから取り入れた「自動化総合健診システム」による人間ドック施設「東京・八重洲総合健診センター」を開業し、財団の収益部門とすることができました。二時間余りで数十名の健診が可能な人間ドックは、当時では画期的な施設でした。
財団設立五十周年を迎えるに当たり、創業理念を守り将来に向かって、更に力強く発展させていただくことを心から願い、私のお祝いの言葉とさせていただきます。

植田理彦

【植田理彦先生プロフィール】
医学博士、温泉療法専門医。
元一般財団法人日本健康開発財団評議員（財団設立時～2023年6月）